今回はタイトルにもある通り、ペイパルやパランティアの生みの親であるピーター・ティールの投資術について紹介します。
ピーター・ティール
世界最大のオンライン決算サービスであるペイパルの共同創業者であり、世界最大のSNS企業であるフェイスブックの初の外部投資家。さらにはCIAやFBIを顧客に持つビックデータ解析企業パランティアの共同創業者。現在はベンチャーキャピタル会社ファウンダーズ・ファンドにて積極的にスタートアップ企業への投資も行っている。
ティール氏は主にスタートアップ企業に対して積極的に投資を行っています。
スタートアップの9割が失敗すると言われる中、なぜそこまでの挑戦を試みるのでしょうか。
そこには彼の投資における鉄則が隠されていました。
では、個人投資家の我々も参考にできるその鉄則を早速確認していきましょう!
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パランティアの通年の決算を分析(2018年〜2021年)
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ティールの投資における鉄則
徹底的に絞り込め
ティール氏の考える投資先は
数十億ドル規模に成長する可能性がある企業
です。
創業者とビジネスモデルを評価できる少数のスタートアップに絞り、集中的に投資をします。
ポイント
集中的に投資
この点はかの有名な投資家ウォーレン・バフェット氏とも一致します。
長期的視点をもて
ティール氏のファウンダーズ・ファンドは、軌道に乗るまでに数年かかるが、もし成功すれば非常に大きな価値を発揮する企業に投資をします。
世界を0から1に変えるものに賭けているのです。
ただ、そのような企業が力を十分に発揮するには何年も我慢することが必要となります。
ポイント
可能性に賭け、長期的な視点に立って投資
トレンドの逆を行け
「隠されているドア、脇にあっても誰も入ろうとしないドアから入れ」
ティール氏は逆張り屋と自認しているばかりでなく、実際にそのように行動をしています。
優れたイノベーションを認め、適切なタイミングを見定める。トレンドとは逆に投資をすることでしか法外な利益は得られないと言います。
ポイント
「他の人がパニックになっている時に買い、他の人が貪欲になっている時に売れ」というのはバフェット氏の公式もこれです。
逆張りはティール氏の王道
特別な企業の見つけ方
ティール氏がどのような点を意識して将来有望な企業を探しているのでしょう。
特別な企業とは
特別な企業とは、0から1を生み出す唯一無二の企業のことであり、この企業を探し出すことが投資での成功の鍵を握ります。
特別で優れた企業には3つの段階があると言います。
- 価値の創造
- 長く市場にとどまる
- 創造する余剰価値の一部を資本に転化できる
コカ・コーラやアップルのように、優れた企業は市場にとどまり続け、長きに渡って経済全体の欠かせない一部となるのです。
PEGレシオ
将来成長するであろう企業を見つける上でティール氏も活用している指標があります。
それがPEGレシオと呼ばれるものです。
PEGレシオとは、PERを利益成長率で割って求める数値のことで、この指標によって株式を成長値で評価できるようになります。
参考
PER
PERとは株価収益率のこと。
株価÷1株当たりの当期純利益(EPSのこと)
で値が出る。
PEGレシオが1倍以下だと、その企業は実際の価値より過小評価されていることになります。
成長率と割引率
上記のPEGレシオは特定の時点の評価であるため、これだけに頼るわけにはいきません。
もう一つ大切になるのが
成長率と割引率
です。
割引率とは、将来の価値を現在の価値に直すために用いる率のことを指します。
一方、企業成長率とは、その企業がどの程度成長したかを客観的に示す指標のことであり、売上成長率、利益成長率、現金成長率に分けることができます。
ティール氏は、これらの成長率が割引率よりも高くなっていることも重要であると捉えています。
3つの質問
ティール氏は投資する企業に対して3つのことを問います。
- 何に価値があるか
- 自分には何ができるか
- 他の誰もしないことは何か
この3つを明確にすることで確信を持ってスタートアップに投資ができるのです。
実際にこれらの質問に対して、ティール氏がどのように答えるのかパランティアを例に見てみましょう。
パランティアの場合
1.何に価値があるのか
昨今、世界では国際テロの恐怖に悩まされています。
そのような残忍なテロを撲滅するために専門家が迅速に決定を下せるよう、あらゆる関連データを動員し分析する企業が必要であることはティール氏の中で自明のことでした。
そして今それは「ビックデータ」という名のもとに注目を集めています。
ティール氏にとって価値があるのは、まだ誰も信じていないが有意義な市場に発展する可能性がある何かであり、それが紛れもなくパランティアなのです。
2.自分に何ができるか
CEOのポストに就いたペイパルとは異なり、パランティアでは最初からチェアマンを務めています。パランティアでは、戦略家として背後で糸を引いて、会社をさらに優れたテクノロジー企業とするために尽力しているのです。
3.他の誰もしないことは何だろう
2003年にパランティアを創業した時、「ビックデータ」が何なのかを理解していた人はほとんどいませんでした。
ティールはここに、全世界の最重要公共機関の最重要問題を解決することを標榜する新しいテクノロジー企業を立ち上げる絶好のチャンスがあると見たのです。
現在パランティアは21世紀の様々な難題に備えなければならない政府や官庁、大企業の戦略的ツールになろうとしています。
そして今、世界のビックデータの独占的地位を手に入れよう奮闘しているのです。
終わりに
ティール氏の投資に対する考え方について紹介してきました。
法外な利益を得るためには攻めの姿勢をもち続けなければならない
ということがティール氏の投資法から感じられたのではないでしょうか。
今回参考にした書籍は以下のものです。
ティール氏の生い立ちや、起業マインド、今後のビジョンについても書かれているため、気になった方はぜひチェックしてみてください!